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第1回 箸和文化研究会総会および記念講演会 報告
 箸和文化研究会 総会
日時: 平成20年9月6日(土) 開場15:30〜16:30
場所: 福井県国際交流会館(第1会議室)
出席者: 24名
 
【議事内容】

山田貴美子さんの総合司会により、会長の挨拶、株式会社「兵左衛門」の浦谷兵剛さんの挨拶を戴いたのちに、事務局長の「研究会発足の経緯、活動報告」が行われました。
 

その後、審議事項として、以下の議題について説明があり、一括承認されました。
  @規約(入会金、年会費)
  A役員の承認
  B今後の活動方針
 
 はし知育教室の開催
日時: 平成20年9月6日(土) 開場15:30〜17:30
出席者: 20名
 
箸の話と箸つくり及び箸使いを指導しました。
最後に、皆さんから感想を聞かせていただきました。
 
 箸和文化研究会 記念講演会 
日時: 平成20年9月6日(土) 開場18:00〜19:00
場所: 福井県国際交流会館(第1会議室)
出席者: 40名
講演題目 「古の日本に学ぶ箸の文化」
講演者 亀山 真一*1
 
【講演概要】
花山会長により講演者の紹介がなされ、講演が開始されました。講演概要は以下の通りです。
 
(箸の漢字の意味)
●箸=竹冠+者(シャ)、古くは 「者=叉」と書く。叉の意味は、手に物を挟むと言う意味。

●西洋のフォークは、17世紀に使われ出したもので、その前は手掴みである。名残としてパンは手で食する。日本の文化の方が進んでいるように思われる。
 
(日本文化の特徴)
●日本文化の特徴は、風呂敷、下駄、着物に見られるように、「相手を選ばない」どんな大きさ形にも一つのもので対応できる。

●西洋は「相手を選ぶ」、自分の大きさ、形に合わせて作られる。=自分が主体。日本は、相手が主体=融通無碍(ゆうづうむげ)

●日本は、「言霊(ことだま)の幸う(サキアウ)国」、「幸う」とは魂が篭っていること。だから、「言葉に出したことに責任を持つ」ということで、日本の特色で「口約束を守る」と言うこと。西洋は、「文字に書いたことに責任を持つ」といことで「契約社会」である。
 
(はしの語源:大和言葉における意味)
●「はし」とは、漢字で書くと、箸、口嘴、端、梁、橋、梯、階とかく。「は」は、葉、歯、刃、羽。また、柱、階(きざはし)、芒(あしかい)とは、突き出した部分の意味。

●「はし」とは、「何かを繋ぎ、渡し取り持つもの」の意味。つまり、人と食べ物を結ぶ・渡す⇒命の結びをするもの。
l 食事のときに自分専用のものを使うのは日本だけ。割り箸は使い捨てするもの。
 
(はしの語源:大和言葉における意味)
● 「はし」とは、漢字で書くと、箸、口嘴、端、梁、橋、梯、階とかく。「は」は、葉、歯、刃、羽。また、柱、階(きざはし)、芒(あしかい)とは、突き出した部分の意味。

● 「はし」とは、「何かを繋ぎ、渡し取り持つもの」の意味。つまり、人と食べ物を結ぶ・渡す⇒命の結びをするもの。

●食事のときに自分専用のものを使うのは日本だけ。割り箸は使い捨てするもの。
 
(古事記に見る日本文化考察:「むすび」の考え方)
● ここで、古事記の話をしたい。古事記は奈良時代の人の考え方を表した公の文書である。最初に大事なことが書かれている。それは何かと言うと「産霊(むすび)観」である。産とは、元々あるもの、生むとは、意思を派生させること。「むすび」とは、命を生み出すという意味。それに対じするものとしては、「創造観」(つくる)がある。

● 古事記には「高天之原(たかまがはら)に成りませり」と書かれており、「高天之原」とは、いのちで出来ている生命界、「成りませり」とは、一つの命が変化して宇宙が出来た、と言う意味。

●次に、天之御中主(あめのみなかぬし)=宇宙を支える中心と言う意味。天之=宇宙、御中主=宇宙の全体に中心という意味。「無限の叡智とエネルギー」(=天の御中主)を100%使えるものが神という。

●一元生命体(=天之御中主)が躍動を始めると一つが二つに別れ、@高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、A神産巣日神(かみぬすびのかみ)が生まれる。高御産巣日神は陽、神産巣日神は陰を意味し、躍動すること、つまり収縮と拡大が同時に行われること、また、一つが二つになったが、二つになりきれない状態(元にもどらない)。

● 否定と肯定が一致する世界=日本では「調和」という。西洋で「は矛盾」になる。
      

● 高御産巣日神のタは、多い、形ある世界を意味する
神産巣日神のカは、隠れた世界、見えないところの活動を意味する
                 =幽界(かくりょ)

● 「陰」と「陽」、形あるもの精神的なものとが、二つになりきれない⇒「むすび」の考え方、これが日本の考え方。相反するものが調和して「むすび」となる。

● 箸は、人(生命体)と食物(片割れの生命体)とを橋渡しする、つまり、人と食とをむすぶもの。人の体内に取り込まれること、結果として、その人共にひとつを生きる。人が生きる上で根源的な「むすび」に携わっている。

● 考えるとは「神帰る」とは大化の改新、シャーマン
 
(まとめ)
● 西洋:解る世界、知的理解ができる

●東洋:悟る世界、味わう世界
悟る内容を解らせる世界に置き換える方法がない。

●最後に、『食べ物=命』 味わう世界を感じて欲しい、食べ物と共に生きる。
 
(質疑応答)
質問1: 古事記の解説に出てきた「むすび」の考え方は、仏教に酷似していると思った。やはり、600年代に仏教が伝来してきて影響を受けたと考えられる?
いえ、違います。元々日本の考え方があり、たまたま仏教がその考え方に近かったので日本に定着したのではないか。
   
質問2: 人と食物を繋ぐものとして箸が役割を果たしているとの説明だった。「むすび」の考え方では、高御産巣日神と神産巣日神とをむすびするのは何か?
天之御中主である。
   
質問3:

割り箸は日本のみの文化、なぜ1回で捨ててしまうのか?

箸には魂が宿るものと考えられている。それを他人が使うとその人の因縁をもらうとの考え方である。良い因縁なら良いが、そうじゃないと困る。
 
(聴講者の感想)
● 日本文化が理解できる講演であった。仏教伝来以前に素晴らしい日本文化が存在していたと言う言葉から、縄文時代の豊かな日本の思想的背景を想像すると楽しくなる。

● 話は難しかったが、とても良かった。日本文化の話が聞けて、日本文化はやはり素晴らしいなーと感じた。

● 西洋と東洋の考え方の違いについて、解る西洋に対して、悟る東洋の解説は解り易く、充分に納得できた。

● 日本の文化が、相手に合わせる文化、着物、下駄、風呂敷など融通無碍ぼ考え方に対して、西洋は自分中心に考える文化、というのは解り易かった。

● 先日の記念講演の感想を書けということですが、一言で言えば大変面白かった。
箸の渡来は聖徳太子の飛鳥時代という先入観があったが、古事記の天之御中主、高御産巣日神、神御産巣日神、に箸渡しして、話が進むとは考えてもいませんでした。

● 箸のはじめは、竹で作られた、トング用のものであり、それが現在も宮中行事に使用されていると聞いていましたが、箸は相手を選ばない日本の文明利器であり、現代では、有人宇宙船の中で、食事に使用されているという事も最近記事で目にしました(ナイフ、フォークでは食事できないそうです)

● 益々「箸の正しい持ち方使い方」の普及していくお手伝いができれば幸いと感じております。又、機会がありましたら、日本書紀と御箸の話なども学んでみたいと思います。

● 「箸」という漢字以前にあった「はし」という言葉の意味に興味を覚えました。
単なる道具ではなく、神と人を繋ぐものであり、また人の命を繋ぐものでもあるという、日本人の精神性の奥深さをはしから学べたように思います。
更に、箸・着物・風呂敷・下駄など、どのようなモノにも対応できるファジ-なもの、それが心の広さへと繋がる事の面白さ、改めて発見した思いです。また、日本人(東洋人)のいう『調和』が西洋では『矛盾』となる事、悟りや味わう世界を持つ日本人(東洋人)に対して知的理解をする西洋人の話など、国際人として自分自身を理解する事、相手を理解していく事に一歩進んだ思いです。
楽しい講義で、また亀山先生のお話が聴きたいです。
 
 
 
 
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